珍しいヤエザクラ

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兵庫県三田市相生町に植わるヤエザクラの幹が、上り下りの激しいジェットコースターのように曲がりくねっている。なんでも十数年前に折れてから復活を遂げた“ど根性桜”らしい。今年も満開となり、専門家は「折れた桜が花を咲かせるのは奇跡に近い」と舌を巻く。

幹がぐにゃりと曲がって、鮮やかな花を咲かせたヤエザクラ=三田市相生町

マンション「ルネ三田フラワーコート」の敷地内にある小さな公園。管理組合の田中康雄理事長(73)らによると、入居が始まった1996年には既に植わっていたが、数年後に何らかの拍子で幹がぽっきりと折れてしまった。ところが下向きに成長を続けた後、ついに頭を持ち上げて枝を張り、毎年元気に花を咲かせているのだとか。

樹木医の小西朋裕さん(51)によると、折れた樹木は病気になりやすく、空気中に漂う「木材腐朽菌」が傷口に入れば枯れかねない。特にヤエザクラやソメイヨシノといった桜は菌に弱いという。

「豪雪地帯では雪の重みで幹が曲がる例があるが、三田で曲がった理由は見当がつかない。珍しいので大切にしてほしい」

田中理事長は「これからもきれいに花を咲かせてほしい。木に触れず遠くから見てください」と呼び掛ける。(門田晋一)

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